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トラベルデータを活用した国内出張の費用削減方法を解説
投稿日:2020.07.30 / 最終更新日:2022.03.26

本コラムでは、ビジネストラベルマネジメントの特徴・効果や導入プロセスに関してシリーズ化してお届けしています。今回は4回目のコラムになります。

トラベルマネジャーに関するコラムの一覧はこちら

第1回 欧州では一般的な「トラベルマネジャー」の役割とその重要性
第2回 トラベルマネジャーが業務渡航において果たす役割とは
第3回 トラベルデータの活用で海外出張の費用削減と満足度向上の両立を実現
第4回 トラベルデータを活用した国内出張の費用削減方法を解説
第5回 出張者の業務渡航時の安全管理の重要性と対応方法
第6回 ウィズコロナ時代の業務渡航の在り方と出張管理

前回は、トラベルデータを活用して海外出張経費(航空運賃)を削減する活動に関してお話しました。

今回は、トラベルマネジャーが国内出張における経費(特に、宿泊費用)削減に向け、トラベルデータをどの様に活用しているのかを具体例を交えてお届けいたします。

国内出張の宿泊費がかさみやすいのはなぜ?

一般的に、企業は、経費の高額さから海外出張の航空運賃削減に関する検討・活動を優先的に行っています。

他方、国内出張に関する経費、特に宿泊代に関しては、出張費用の削減に向けての活動が十分ではないようです。その為、出張者は定められた宿泊の上限額を最大限に活用して必要以上に高額な宿泊プランを予約したり、QUOカードなどの特典付プランを好んで選択したりすることがあります。なかには、部署ぐるみでこの様な手配を容認している場合もあり、これでは経費(宿泊費)がかさむ一方です。

この種の無駄遣いの解決策は、出張者自身に、宿泊の手配状況は「見られている」という意識が働き、コスト削減に対する意識改革を促すことが考えられます。出張者がそれぞれの方法で予約をするのではなく、企業があらかじめ定めた宿泊プラン、手配ルールをシステムに登録しておき、出張者はその範囲内で宿泊手配ができるサービスや出張管理システムを導入することが重要です。

出張管理における解決の鍵はトラベルデータの分析にあり

トラベルマネジャーは、海外出張時の航空運賃削減活動と同様に、国内出張における費用削減検討の場面でも、様々な種類のトラベルデータを蓄積,一元管理し、様々な軸からデータを可視化、分析することで、コスト削減と出張者の利便性向上の両立を図ります。
例えば、以下のアプローチは、全ての企業において有効な検討項目になります。

(1) 宿泊上限額の見直し : 全国一律の上限額 → 都市/地域別上限額の設定

*会社推奨の宿泊プランを決定する

*会社推奨ホテルに求める基準を統一する       

(2) 出張パックの利用促進 :アラカルト手配 → パッケージ手配

*航空運賃を含む、国内出張の総経費削減を実現

*手配の効率化による間接コストの削減も実現

*出張日程の早期確定が課題

*出張者の利便性を損なわないホテル選定が重要    

(3) 早期予約( 出発日−手配日)の推奨

*出発の2週間前までの予約完了を目安とする → 出張パックの利用推進が可能

*拠点への定期訪問、国際会議出席など、出張目的の特性をより詳細に分析、早期に予定の確定ができるものは、より早期の予約手配を実践すること

(4) 金曜日・土曜日宿泊の制限

*割高となる金曜日の宿泊、土曜日の宿泊を避けることで、コスト削減と出張者のプライベートへの配慮の両立を実現

*出張目的の特性を詳細に分析、削減対象とする出張を絞ることが重要

トラベルマネジャーが会社に蓄積されているトラベルデータを活用することで、出張者に過剰な負荷をかけることなく、出張者がコアビジネスに集中することを可能にするトラベルプログラムを実現、出張関連コストの削減だけでなく、本来の出張の目的である会社利益の拡大に貢献することが可能になります。

国内出張は一回当たりの発生費用は海外出張よりも少ないですが、回数が多く、総額では海外出張よりも多くなる企業が多いため、国内出張こそトラベルデータの分析に伴う出張管理・規程の設定が重要になります。

今回は、トラベルデータを活用して国内出張経費を削減する活動に関してお話し致しました。次回は、海外出張者の安全管理に関して具体例を交えてお届けいたします。

参考:Global Business Travel Associationが提供するトラベルマネージャー育成プログラム

The Fundamentals of Business Travel Management


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