これまで日本国籍のパスポート保有者は、ヨーロッパに渡航する際、ビザを取得することなく、出張・観光することができました。しかし、2024年からは渡航にあたりETIASの申請が必須になると言われています。ETIASとは、アメリカ渡航におけるESTAのようなもので、渡航の前にオンライン上で渡航許可を取得する仕組みを指します。
本日は、ETIASの概要や取得の手続きについて解説します。
※ETIASの申請は2023年9月時点では受け付けていないのでご注意ください。
EITAS(European Travel Information and Authorisation System)とは、2024年以降、EU諸国へ入国する際に必要となる「事前渡航認証システム」です。日本語では「欧州渡航情報認証制度」と訳され、一般的なEU諸国への旅行に際し簡単な手続きでビザが不要になる便利な渡航認証です。米国では、入国の際にESTAの申請が必要になりますが、欧州でも同様の仕組みが導入されました。
EU諸国への入国というとシェンゲンビザを思い浮かべる方も多いと思います。シェンゲンビザとは、ヨーロッパのシェンゲン圏内における自由な移動を許可することを目的としたビザです。最大90日間の滞在でシェンゲン圏内への旅行を希望する観光客やその他の短期旅行者を対象としています。
日本国籍のパスポート所有者は、シェンゲンビザを取得することなく、シェンゲン圏内の渡航・滞在が可能でした(例外となる国あり)。しかし、今後は、ビザ免除の適用を受けている日本国籍パスポート保有者であっても観光、ビジネス、または通過目的(トランジット)のためにヨーロッパに旅行するにはETIASが必要となります。
2023年9月現在、入国にあたってETIASの申請が必要な国は27カ国あります。
アイスランド、 イタリア、 エストニア、 オーストリア、 オランダ、 ギリシャ、 クロアチア、 スイス、 スウェーデン、 スペイン、 スロバキア、 スロベニア、 チェコ、 デンマーク、 ドイツ、 ノルウェー、 ハンガリー、 フィンランド、 フランス、 ベルギー、 ポーランド、 ポルトガル、 マルタ、 ラトビア、 リトアニア、 ルクセンブルク、 リヒテンシュタイン |
ETIAS(エティアス)の有効期間は原則として3年間となります。ETIAS(エティアス)の有効期間内であれば何度でも対象国に渡航することが可能です。ただし、3年以内にパスポートの有効期限が切れてしまう場合は、パスポートの有効期限日を以てETIAS(エティアス)も失効となりますので注意が必要です。
ETIAS(エティアス)で入国した場合、一度の渡航につき最長90日以内の滞在が認められます。ただし、ETIASを利用する場合、渡航目的は一般的な観光か現地での就労を伴わない短期のビジネスに限定されます。90日以上の滞在やETIAS加盟国での就労(アルバイトを含む)を希望する方はビザの取得が必要となるのでご注意ください。
ETIASの申請及び承認までの流れは以下の通りです。
ETIASの申請サイトにて、申請フォームに必要事項を入力し、申請料を支払い、審査を依頼します。
申請フォームの入力完了後は、ETIASの専門審査機関にて審査を行います。申請から審査結果が届くまで最大で4週間ほどかかると言われているため、なるべく早めの申請を心がけましょう。
審査の後、ETIASの渡航認証の許可が下りた場合は、「渡航許可通知」としてETIAS番号が発行されます。この番号は渡航から帰国まで必要となるため、プリントアウトをしてパスポートと一緒に保管すると良いでしょう。
ETIASの渡航許可通知を取得後、航空券に搭乗しましょう。なお、搭乗する航空会社のスタッフからETIAS取得の有無を求められる場合もあるため、ETIAS番号は手元に控えておきましょう。パスポートと共に提示してもよいでしょう。
ETIASの申請費用は、7ユーロになる見通しです。なお、18歳以下及び70歳以上の渡航者は申請料が無料になるようです。ただし、ETIASの申請自体は年齢問わず必須のため、申請漏れがないようにご注意ください。
ETIASの申請は、ESTA同様、電子申請のみとなります。申請にあたっては、パスポート情報が必要になるため、有効期限内のパスポートをご用意ください。また、申請時にクレジットカードによる支払いが必要となります。ただし、クレジットカードの名義はご本人名義である必要はありません。
2023年9月時点では、申請フォームは開示されていませんが、下記の情報を入力する必要があると言われています。
参考:EU公式サイト