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【海外出張手配のいろは/準備編】PCR検査の受診
投稿日:2022.04.26 / 最終更新日:2022.06.10

【海外出張手配のいろは/準備編】PCR検査の受診

海外出張の準備で、ビザや航空券の手配が済んでもまだひと安心とはいきません。新型コロナウイルス(covid-19)の流行により、世界各国で入国に際し、PCR検査の陰性証明書の提出や携帯が義務付けられるようになりました。日本国内でも手軽にPCR検査を受診出来るようになりましたが、入国時に提出する書類は書式や検査法が指定されていることも多く、身近な診療所の陰性証明書では無効となってしまうこともあります。

本記事では、海外渡航におけるPCR検査の受診について解説します。



新型コロナウイルス(covid-19)における代表的な検査方法

ウイルスの検査方法はいくつかの種類があります。ここでは新型コロナウイルスの検査によく用いられる検査方法を紹介します。

PCR検査

PCR検査とは、「ポリメラーゼ連鎖反応」(Polymerase Chain Reaction)の略でウイルス等の遺伝子(DNA:デオキシリボ核酸)を増幅させて検出する技術です。

主にウイルスが検査時点で体内に存在するかを調べる時に用いられます。

 

抗原検査

抗原検査とは、ウイルスの抗体を用いてウイルス特有のタンパク質(抗原)を検出する技術です。

PCR検査に比べ検出率は劣りますが、短時間で結果を得られる、特別な検査機器が不要なことから速やかに検査を行いたい場合に用いられます。

 

抗体検査

抗体検査とは、ウイルスに感染すると形成されるタンパク質(抗体)を血液中から検出する技術です。

過去にウイルス感染をしていたか調べる時に用いられます。体内に抗体ができるまでには時間がかかるため、現在感染していないことを証明するのは難しいとされています。

 

  PCR検査 抗原検査 抗体検査
目的 現在感染しているか 過去に感染していたか
抗体ができているか
検体

鼻腔咽頭拭い液、

鼻腔拭い液、唾液

鼻腔咽頭拭い液 血液
調べるもの ウイルスの遺伝子 ウイルスのタンパク質 血液中のタンパク質
精度

抗原定性より少ない

ウイルス量で検出可能

一定以上のウイルス量が

必要

 
ワクチン接種での反応 陰性 Sタンパク:陽性
Nタンパク:陰性
検査実施場所(※) 専門の検査機関 検体採取場所 専門の検査機関
所要時間(※) およそ1日 数十分 およそ2~3日

(※)実施機関により異なります。

 

海外出張においてPCR検査が必要になる場面

新型コロナウイルスの流行で入国や滞在において、PCR検査の陰性証明書の提出が求められることが増えました。「現在感染していないことを証明する」ためには、PCR検査が最も有効であると考えられています。

ここでは海外渡航において陰性証明書が必要になる場面を紹介します。

入国4~7日前(予備検査)

入国直前だけではなく、入国予定日から指定日数を遡った日のPCR検査の受検が必要な国があります。

 

入国1~3日前

2022年6月現在、入国の際にPCR検査もしくは抗原検査の陰性証明書の提出が必要な国があります。

 

現地滞在中

陰性証明書の携帯や提出が求められることがあります。国として取り決められていなくても、州や省などの特定の地域のみ適用されている場合もあるので、渡航エリアの情報収集に努めましょう。

 

日本帰国時

2022年6月現在、日本人を含むすべての入国者に入国前72時間以内に取得した陰性証明書の提出が義務付けられています。

滞在していた国やワクチンの接種状況により、日本到着時にもPCR検査の実施が必要です。

 

参考:検査証明書の提出について|厚生労働省



海外渡航時に求められる陰性証明書(検査証明書)のルール

PCR検査の陰性証明書はPCR検査を受検すると発行してもらえる証明書です。発行される書式は受診先によって様々ですが、海外で使用する場合は、書式や検査方法が指定されています。

指定の陰性証明書で提出できない場合は無効となるため、必ず渡航先の様式を確認しましょう。主なポイントは以下の通りです。

 

渡航国指定のフォーマット

指定のフォーマットでの提出が必要な場合があります。事前に受診先へ取り扱ってもらえるかを確認しましょう。

参考:中華人民共和国駐日日本大使館

 

陰性証明書の言語の指定

当該国の指定言語に限定される場合があります。PCR検査の受診先によっては外国語の証明書に対応できないことがあるので、PCR検査を申込む前に確認しましょう。

 

PCR検査の受検回数(交差PCR検査)

指定期間内に複数回のPCR検査を受けなければならない国があります。短期間で異なる医療機関での受検が必要になることもあり、スケジュールの管理も大変です。しっかりとした受診計画を立てましょう。

 

PCR検査の受検日

入国の48~72時間以内の受検を求められることが多いです。PCR検査は検査を受けてから結果が出るまで時間がかかるため、陰性証明書の受取までの時間を考慮する必要があります。

 

医療機関の指定

PCR検査の受診先が指定されていることがあります。その場合は大使館や総領事館のウェブサイトで紹介されています。

参考:駐日外国公館リスト 目次|外務省

 

検体の採取方法

 鼻咽頭ぬぐい液(Nasopharyngeal Swab)や鼻腔ぬぐい液(Nasal Swab)、 唾液(Saliva)といった検体の採取方法を指定されている場合があります。



PCR検査についてよくある質問

どこでPCR検査を受けたらいいか

所定のフォーマットや外国語での陰性証明書の発行が必要になることが多いため、トラベルクリニック等の専門機関で受診されることをおすすめします。

 

トラベルクリニックについて詳しくは以下をご覧ください。

【海外出張手配のいろは/準備編】予防接種・トラベルクリニックの利用



抗原検査、抗体検査でも入国や滞在に問題はないか

国によっては抗原検査や抗体検査でも入国や滞在には問題ないとされている場合があります。ただし、指定のワクチン接種証明書の提出が必要である等の条件付きであることも多いです。入国や滞在要件は日々変更されるため注意しましょう。



新型コロナウイルスのワクチン接種証明書があればPCR検査は不要か

国によってはワクチン接種証明書があればPCR検査に関わる入国要件が緩和される場合があります。ただし、接種するワクチンのメーカーや接種回数によって対応が変わることもあります。



まとめ

PCR検査の受診について解説しました。最近では、報道や街中で目にすることも増え、気軽にPCR検査を受けることが出来るようになりました。一方で、海外渡航においては、ルールが遵守された陰性証明書の発行が必要になります。ウイルスの陰性証明はご自身の海外渡航を滞りなく進めるだけではなく、周囲の人の健康を守ることにも繋がるので信頼できる医療機関で受診することをおすすめします。

海外出張の準備編は以上になります。次回からは出張編として、海外出張に必要な持ち物とあると便利な持ち物について解説します。

出入国情報については以下をご覧ください。

【海外出張手配のいろは/準備編】出入国情報の収集

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