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【海外出張手配のいろは/準備編】パスポートで利用するヘボン式ローマ字のルール
投稿日:2022.04.05 / 最終更新日:2022.05.27

【海外出張手配のいろは/準備編】パスポートで利用するヘボン式ローマ字のルール

 

日本において、ローマ字は主に3種類が使われていることをご存知でしょうか。日本国内では3種類のいずれのローマ字表記も誤りはなく、普段の生活で正確性を意識することは少ないと思います。海外へ渡航するためにはパスポートや航空券の手配が必要ですが、パスポートの氏名は原則としてヘボン式ローマ字で表記することになっています。いつも使っているローマ字でパスポートを申請したり、航空券を手配すると最悪の場合、渡航ができなくなるケースもあります。今回はヘボン式ローマ字のルールや、パスポートを作成する際の注意点を解説します。

 

パスポート申請の詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

【海外出張のいろは/準備編】パスポート(旅券)の取得

日本で使われている3種類のローマ字

はじめに、日本国内で使用されている3種類のローマ字を紹介します。

ヘボン式

1886年、横浜で医療活動を行っていたアメリカ人宣教師のヘボンが『和英語林集成』という和英辞典を出版しました。これらに修正が加えられ、第3版で使われたローマ字が「ヘボン式」の原型と言われています。

 

日本式

ヘボン式ローマ字は英語の発音に偏っているとして、物理学者の田中館愛橘が、日本語の五十音に基づいて提唱したローマ字が「日本式」です。

 

訓令式

ヘボン式と日本式が混在する状態を統一するために、1937年に内閣訓令によって定義されたローマ字が「訓令式」です。

 

ヘボン式、日本式、訓令式の違い(一例)

以下のように表記が異なっています。普段の生活で意識することはないので、ヘボン式や日本式をそれぞれ使っていることもあるかもしれません。

 

 

ヘボン式

訓令式

日本式

shi

si

ji

zi

di

ぢゃ、ぢゅ、ぢょ

ja, ju, jo

zya, zyu, zyo

dya, dyu, dyo

tsu

tu

zu

du

fu

hu

n, m(※)

n

※b, m, pの前はmを使う

 

ヘボン式ローマ字の一覧表

パスポートの申請は基本的に戸籍に記載されている氏名通りのスペルの使用が決められています。

パスポートの申請や航空券といった手配において、誤りの多い文字はピンク色で示しているので参考にしてください。

 

A

I

U

E

O

KA

KI

KU

KE

KO

SA

SHI

SU

SE

SO

TA

CHI

TSU

TE

TO

NA

NI

NU

NE

NO

HA

HI

FU

HE

HO

MA

MI

MU

ME

MO

YA

   

YU

   

YO

RA

RI

RU

RE

RO

WA

I

   

E

O

N(M)

               

GA

GI

GU

GE

GO

ZA

JI

ZU

ZE

ZO

DA

JI

ZU

DE

DO

BA

BI

BU

BE

BO

PA

PI

PU

PE

PO

キャ

KYA

   

キュ

KYU

   

キョ

KYO

シャ

SHA

   

シュ

SHU

   

ショ

SHO

チャ

CHA

   

チュ

CHU

   

チョ

CHO

ニャ

NYA

   

ニュ

NYU

   

ニョ

NYO

ヒャ

HYA

   

ヒュ

HYU

   

ヒョ

HYO

ミャ

MYA

   

ミュ

MYU

   

ミョ

MYO

リャ

RYA

   

リュ

RYU

   

リョ

RYO

ギャ

GYA

   

ギュ

GYU

   

ギョ

GYO

ジャ

JA

   

ジュ

JU

   

ジョ

JO

ビャ

BYA

   

ビュ

BYU

   

ビョ

BYO

ピャ

PYA

   

ピュ

PYU

   

ピョ

PYO

 

シェ

SHIE

チェ

CHIE

ティ

TEI

ニィ

NII

ニェ

NIE

ファ

FUA

フィ

FUI

フェ

FUE

フォ

FUO

ジェ

JIE

ディ

DEI

デュ

DEYU

ウィ

UI

ウェ

UE

ウォ

UO

ヴァ

BA

ヴィ

BI

BU

ヴェ

BE

ヴォ

BO

ヴァ

BUA

ヴィ

BUI

   

ヴェ

BUE

ヴォ

BUO

 

 

ヘボン式ローマ字で間違えやすい表記

ヘボン式ローマ字にはいくつかのルールがあります。ここでは間違えやすい例を挙げていきます。

 

長音の表記

長音とは、「お」や「う」といった母音を通常の倍に伸ばしたものを指します。

 

▼末尾が「お」の場合

 末尾の「お」は「O」で表します。

 <例>妹尾(せのお)⇒ SENOO

 

▼末尾以外が「お」の場合

 末尾以外の「お」は「O」で表しません。

 <例>大野(おおの)⇒ ONO

    大奥(おおおく)⇒ OOKU

 

▼末尾が「う」の場合

 末尾の「う」は「U」で表しません。

 <例>斉藤(さいと)⇒ SAITO

 

▼末尾以外が「う」の場合

 末尾以外の「う」は「U」で表しません。

 <例>結城(ゆうき)⇒ YUKI

    修人(しゅうと)⇒ SHUTO

 

▼長音と間違えやすい読み方

 <例>光浦(みつうら)⇒ MITSUURA

    椎名(しいな)⇒ SHIINA



撥音の表記

撥音とは、「ん」を指します。

 

▼通常の「ん」の場合

 「ん」は「N」で表します。

 <例>千田(せだ)⇒ SENDA

 

▼「ん」の直後のローマ字が「B」「M」「P」の場合

 「ん」は「M」で表します。

 <例>本間(ほんま)⇒ HOMMA

    慎平(しんぺい)⇒ SHIMPEI



促音の表記

促音とは、「っ」を指します。

 

▼通常の「っ」の場合

 「っ」はローマ字の子音を重ねて表します。

 <例>服部(はっとり)⇒ HATTORI

 

▼「っ」の直後のローマ字が「CH」の場合

 「っ」は「T」で表します。

 <例>八丁堀(はっちょうぼり)⇒ HATCHOBORI

 

パスポートの申請

パスポートの申請

基本的にはパスポートは、ヘボン式ローマ字での申請が求められます。一度パスポートを取得すると婚姻や養子縁組等による氏名変更を除いて、表記の変更は認められません。

ただし、いくつかの例外的な措置もあるので紹介します。

国際結婚や両親が外国籍である等による外国式表記を希望する場合

国際結婚や両親のいずれかが外国籍であったり、二重国籍等の理由により、ヘボン式ローマ字以外の表記でパスポートを申請することが可能です。希望する場合は、氏名の表記が実際に使用されていることを示す書類を提出します。

 

ヘボン式ローマ字以外の表記を希望する場合

伊東(ITOではなくITOH)、陽子(YOKOではなくYOUKO)といった非ヘボン式ローマ字での申請が可能です。ただし、一度申請すると変更は出来ません。

ご家族で旅行する際等、ひとりだけ姓の表記が異なる場合に、航空券手配や出入国時のトラブルの原因にもなりかねないため、申請前に問題がないか確認しましょう。

 

旧姓や別姓の併記を希望する場合

一般的には、婚姻等によって氏名が変更になった場合は記載事項変更の申請を行いますが、業務や研究発表等をはじめとした様々な理由で、旧姓や別性の利用を継続したい方は併記が可能です。

以前は、併記の申請は非常に難しかったのですが、旧姓や別性の併記に関する要件が令和3年から緩和されました。旧姓や別姓での社会活動実態を証明する書類を提出することで申請が可能となっています。

 

出典:日本国内及び海外でパスポートに関する申請手続きに通常必要な書類|外務省

 

まとめ

ヘボン式ローマ字について解説しました。日本式や訓令式の使用も間違いではありませんが、海外でのスタンダードはヘボン式であり、パスポートの取得はヘボン式ローマ字の利用が無難でしょう。非ヘボン式ローマ字を利用していると、場合によっては現地でも説明や書類の提出を求められる可能性があります。

これから海外出張のために、パスポートを取得する予定の方は、不要なトラブルを避けるためにもヘボン式ローマ字のルールはよく確認しておきましょう。

次回はコロナ禍における出入国情報の収集について解説します。

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