全国を飛び回っている出張者にとって、繰り返される出張手配は通常業務の一部となっているのではないでしょうか。出張者には申請や手配の負担がかかっており、管理部門や上長にも出張内容の管理や精算作業が発生しています。そうした負荷を軽減するための国内出張の手配ツールは様々ありますが、自社に最適な予約方法がどれか分からず、導入を後回しにしてしまいがちです。
本記事では、yes/noチャートに沿って国内出張ツールのメリットやデメリットについて解説します。これから導入を検討するにあたって参考にしてみてください。
国内出張の予約方法は大きく分類すると、旅行サイトやJRのオンライン予約とクラウドBTM、旅行会社(法人契約)といった方法がありますが、どの手配方法が自社に向いているのか悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
企業によって出張の内容や方針が異なるため、この手配方法がベスト!ということはありません。それゆえに迷ってしまいますよね。
まずは以下のyas/noチャートから自社に合った手配方法を選びましょう。
オンライン予約とは、航空会社やホテルの公式サイト、旅行予約サイトを指します。
公式サイトならではの最低価格保証や割引、手数料無料といったコスト面での訴求力に加えて、各予約サイト上で変更や取消がご自身のスマートフォンやパソコンで行えることから利便性も高いでしょう。
ただし、手配管理や立替負担、出張申請においては難点があります。各予約サイトでの登録やログインの手間、経費精算、出張内容の社内報告、自然災害や事故での予約変更など手続き関係では負担が大きい予約方法と言えます。手続きでの負担が大きいということは、見えない人件費が余分にかかっているということでもあり、オンライン予約は一概にコスト削減に繋がるということではないという視点も持っておきましょう。
参考:一般社団法人 日本旅行業協会:「数字が語る旅行業2022」
出張手配においてはマイナス点もあるオンライン予約ですが、個人旅行において、最も利用されている予約手段です。一般社団法人日本旅行業協会の調査では、複数回答が可能となってはいますが、ネット専門の旅行会社や宿泊施設のオンライン予約を利用しているという回答が電話予約や旅行代理店の店頭予約よりも多いことが分かります。
オンライン予約は、ネット環境に慣れ親しむ若者の利用が圧倒的に多いと思われがちですが、実際は旅行慣れしてくる30〜49歳の利用が多く、29歳以下は50歳代とほぼ同等、もしくはそれ以下というのも興味深い点です。
コミュニケーションが対面や電話等からネット環境に移行していることからも、今後も利用が伸びていく予約方法でしょう。
オンライン予約の中でも、独自性のあるJRオンライン予約について紹介します。他のオンライン予約では、飛行機への搭乗やホテルチェックインなど、どこで予約してもサービス内容や予約管理に大きな違いはありませんが、JRオンライン予約はかわります。
JRオンライン予約とは、JR各社が提供しているオンライン予約サービスで、チケットレスで乗車することが可能になるので、新幹線利用の多い出張者の利便性を優先する場合は、この手配方法がオススメです。
旅行代理店やみどりの窓口で新幹線を手配すると実券が必要となり、郵送代や乗車券受取までの日数、変更や取消の手続き等がネックとなりますが、JRオンライン予約ではそうしたストレスから解放されます。
ただし、鉄道の手配のみとなるので、宿泊ホテルやレンタカーは別の予約方法で手配しなければなりません。前述した旅行予約サイト等でのオンライン予約と同様に利便性は高いのですが、予約管理や出張申請、立替精算といった業務負担は発生します。
なお、法人利用にはJR各社で条件があります。契約プランは複数あるので気になる方は法人窓口へ問い合わせましょう。
・JR東海/エクスプレス予約
・JR東日本/ビジネスえきねっと
・JR西日本/e5489コーポレートサービス
・JR東海/スマートEX
・JR東日本/えきねっと
・JR西日本/e5489
最近になり、数が増えてきたクラウドBTMとは、旅行会社が提供するオンライン出張予約・管理システムを指します。BTMとはビジネストラベルマネジメント(Business Travel Management)の略称で出張管理のことです。
法人契約をすることで、出張手配はもちろんのこと、一括請求書での精算や出張内容のデータ管理、出張申請をクラウド上で行うことが可能です。出張手配では立替精算や出張内容の共有、紙媒体での手続きが負担になりがちですが、そうした課題を解決できるサービスです。
また、不正出張や出張者の好みを優先したコストのかかる手配といった出張手配のブラックボックス化を防ぐこともできます。
クラウドBTMサービスは、提供会社によって取扱内容がホテルのみに限定されていたり、旅行手配よりも経費精算システムに特化していたりと、サービス内容が大きく異なります。まずは自社の出張内容や課題を把握しましょう。
なお、サービスの利用料も月額制と従量課金の2パターンがあります。出張が不定期の場合は、従量課金の利用を検討しましょう。
クラウドBTMサービスについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
法人契約を結び、メールや電話で手配を依頼します。以前からある予約方法のひとつですが、手数料の高さや営業時間、レスポンススピード、出張内容の管理などで課題があります。一方でネット系の予約サービスでは不安が残る、電話対応や変更・取消時の対応では安心感があります。
効率化やコスト削減といった面ではオススメは出来ませんが、ソフト面でのサービスレベルを重要視する企業において価値ある予約方法と言えます。
手配サービスの比較をまとめました。最近では、予約サービスによって旅行代金に大きな差は発生しにくくなっているため、旅行代金の安さで比較するよりも自社の課題を解決できるサービス利用を意識しましょう。
予約サービス |
オンライン予約 |
クラウドBTM |
旅行代理店 |
契約形態 |
個人(JRは法人契約あり) |
法人 |
法人 |
費用 |
無料 ※サービスにより手数料や 会員費がかかる場合あり |
初期費用、月額利用料、 取扱手数料、郵送料他 |
初期費用、月額利用料、 取扱手数料、郵送料他 |
予約方法 |
オンライン |
専用サイト、チャット、メール他 |
メール、電話、fax |
変更・取消 |
ご自身で対応 |
専用サイトでご自身で対応 またはクラウドBTM側で対応 ※営業時間外はご自身 |
旅行代理店で対応 ※営業時間外はご自身 |
精算方法 |
クレジットカード、 銀行振込他 |
会社一括請求 |
会社一括請求 |
出張データの管理 |
× |
○ |
× |
出張申請・規程管理 |
× |
○ |
× |
※利用条件や提供会社により異なる場合があります。
自社に合った国内出張の手配方法について紹介しました。出張の多くを占める新幹線の手配はJR各社が電子化の対応を進めていますが、旅行会社に対して電子化の仕組みの解放は限定的であり、ひとつの予約サービスでの一元管理が難しい環境です。新幹線利用の数や、社内での出張管理の方針によっては複数の予約サービスを並行利用することも考えられるでしょう。正解はないので、出張者や管理部門とのバランスを見て、どのサービスを導入するか検討してみてください。
海外出張の手配方法については、以下の記事をご覧ください。
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