現代の海外出張において、通信手段は不可欠と言えます。以前は、海外から通信する手段は限定的でしたが、近年は様々な通信手段が存在します。
この記事では、海外出張時の通信手段を紹介するとともに、出張時の通信手段を選択する際の注意点について解説します。
海外でパソコンやスマホをネットに接続する方法は、WiFiを利用する「海外用モバイルWi-Fiルーター」と「フリーWi-Fi」、携帯電話回線を利用する「海外パケット定額プラン」と「現地SIMカード」の4種類があります。
渡航先ですぐに利用ができるように設定されたモバイル型のWiFiルーターをレンタルして利用する方法です。ご自身による設定が不要であり、かつ、通信速度が早い点が特徴です。また、機器に不具合があった場合に、日本語の窓口に問い合わせることができる点も利点といえるでしょう。
近年は料金も割安になっており、出張者にとってメジャーな選択肢といえるでしょう。
宿泊先のホテルや現地にあるカフェ等が提供しているWiFiを利用する方法です。利点としてはなんといっても無料である点です。一方で、施設内でしか利用できない、通信速度が遅い、セキュリティ面に不安があるといった課題があります。
NTTドコモなどの携帯電話会社が提供する海外専用の「パケット定額プラン」を利用する方法です。普段利用しているスマホで、日本国内にいるときと同じようにネット接続することができます。プランは、時間ベースのものと、データ容量ベースのものがあります。
携帯会社のアプリをダウンロードしておけば、現地到着後すぐに利用できるなど、事前準備が少ない点がメリットですが、他の手段と比較すると料金が高い傾向にあります。また、誤った設定を行った場合に海外ローミング代として高額請求される恐れがあり、注意が必要です。
現地の携帯会社に対応したSIMカードを購入し、SIMフリータイプのスマートフォンに差替えて利用する方法です。
料金が安く、通信環境が良好であり、使いすぎによる高額請求などの不安がない点が魅力です。一方で、現地でSIMカードを購入したり、ご自身でスマートフォンの設定を行う必要があるなど、上級者向けの選択肢といえます。
先ほど述べた4つの海外通信手段について、特徴を比較すると以下の通りです。
モバイルWiFi |
フリーWiFi |
海外パケット |
現地SIMカード |
|
料金 |
△ |
◎(無料) |
× |
〇 |
通信速度 |
〇 |
× |
△ |
〇 |
設定しやすさ |
〇 |
△ |
〇 |
× |
事前準備 |
△ |
〇 |
〇 |
× |
先ほど述べた4つの海外通信手段にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、海外出張と相性が良いのはどれでしょうか。まずは海外出張の特徴をお伝えします。
ビジネスにおいて重要なのが通信速度です。場合によっては、海外から日本国内のウェブ会議に参加することもあるでしょう。そうした場合に、通信速度が遅いとコミュニケーションが上手く取れないといった課題が発生します。
通信速度に並んで重要なのがセキュリティです。出張者のパソコンには機密情報が含まれているため、フリーWiFiなどのパブリックな通信手段を利用することは極力避けるべきです。
出張では、一回の渡航で複数国を周遊する場合があります。現地SIMカードを利用した場合は、国ごとにSIMカードを購入し、設定する必要があります。また、モバイルWiFiに関しても事前に複数国に対応できる機種を申し込む必要があるので注意しましょう。
その他に考慮しておきたいのは、日程変更などが発生した場合に対応できる柔軟性です。出張では、現地滞在期間の延長なども頻繁に起こりえます。そういった場合に、利用している通信手段が延長に対応できるか否かを事前に確認しておきましょう。
海外出張の特性を考えると、セキュリティ・通信速度・柔軟性が重要になります。その点を考慮すると、モバイルWiFiと海外パケットが候補として挙がりますが、後者は、ご自身の携帯で契約する必要があり、立替なども発生するため、モバイルWiFiが汎用性の高い通信手段といえるでしょう。
ただし、一国での滞在期間が長い場合などは、現地SIMカードがあったほうが機動性に優れ、かつ、安価となるため、状況に応じて最適な手段を選択されることをお勧めします。
なお、BTMや旅行会社で出張の手配を依頼すると、通信手段も含めて用意してくれることが多いです。海外出張の手配方法についてご興味のある方はこちらをご覧ください。
海外出張の手配はどれが合ってる?yes/noチャート付きで解説します。
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