出張にあたっては、多くの企業が出張申請を行っています。法人向け出張手配・管理サービス『マイナビBTM』『出張実態調査』によると、出張申請方法は未だに紙申請の割合が41%と最も多いですが、4社に1社は電子による出張申請(ワークフローシステム)を活用しているようです。
企業のDXが進む中、出張申請も電子化の比率はより一層高まると思いますが、ここで課題となるのは出張申請システムの選択です。出張では、その後の出張精算という業務が控えていることもあり、精算ワークフローとの連動を視野に入れておく必要があります。
本記事では、出張申請及び出張精算に関するワークフローについて想定しうる組み合わせを考え、それぞれのメリット・デメリットを整理します。
社内における稟議は、出張に限ったことではなく、例えば、備品購入や事業に関する予算確保の決裁などにおいても必要となります。そのため、申請承認のみを目的とした専用のシステムを導入されている企業も多いと思います。
出張における申請も数ある申請事項の一つであり、専用の申請承認システムを導入している場合に、経費精算システムが有する申請機能を活用すると、出張承認だけが別のシステムで動くことになり、申請者や決裁者の負担が増す場合があります。
冒頭で述べたように、出張においては出張申請の後に、出張精算が発生します。出張精算にあたっては出張申請時の概算と金額的相違がないかを確認するなど、出張申請との連動が必須になります。しかし、出張申請と出張精算を別システムで行う場合は紐づけが必要になり、申請者の申請負荷に加え、経理側のチェックの負荷も高まります。
そのため、出張精算との連動については予め意識した方が良いでしょう。
出張申請システムと出張精算システムの組み合わせは、大きく4通りが考えられます。具体的には以下の通りです。
パターン | 出張申請 | 出張精算 |
---|---|---|
パターン1 | 経費精算システムの申請機能 | 経費精算システムの精算承認機能 |
パターン2 | その他システムの申請機能 | 経費精算システムの精算承認機能 |
パターン3 | BTMの申請機能 | 経費精算システムの精算承認機能 |
パターン4 | BTMの申請機能 | BTMの精算承認機能 |
出張費の精算に関しては、経費精算システムを活用する企業が多いと思います。それに対して、出張申請部分で何を活用するかがポイントです。具体的には、経費精算システムの申請機能を活用するのか、専用の申請承認ワークフローシステムを活用するのか、BTM(出張管理システム)の申請機能を活用する方法でパターン分けできます。
また、BTM(出張管理システム)が経費精算機能を有している場合は、それらの機能を活用するのも一つの選択肢となります。
経費精算システムを中心に出張ワークフローを構築するパターンです。多くの経費精算システムは申請機能を有しており、その機能を活用することで出張申請から経費精算までを一本することが可能です。
メリットは、経理側の負担軽減です。経費精算する際に、出張申請との紐づけが可能になるため、経理側が申請内容とのズレの有無を確認しやすくなります。
デメリットは、他のワークフローシステムとの併用が必要になる点です。出張申請だけは、経費精算システムを活用して行うことになり、申請者のミスが発生しやすくなるとともに、決裁者の確認漏れが発生する場合があります。
続いては、既存の申請承認ワークフローシステムを軸に組み立てるパターンです。社内で共通利用しているワークフローシステムを利用するため、円滑な出張申請が期待できます。
メリットは、ワークフローシステムの一本化による、申請者及び決裁者の業務負荷軽減です。
デメリットは、申請内容を経費精算の内容のすり合わせを行う際に、経理側の負担増が発生する点です。
続いては、BTMの申請機能を活用する方法です。出張に特化した申請機能であるため、手配の内容を転記する必要がないなど申請の手間は最小化されます。
メリットは、出張申請の手間が最小化できる点です。航空券や宿泊施設などの手配内容や金額が自動的に反映されるため承認者を選ぶだけで申請が完成します。
デメリットは、利用するシステムが増える点です。申請承認システム、経費精算システムを別個に活用している場合は、合計で3つのシステムを利用する必要が生じます。
最後は、BTM(出張管理システム)を中心に組み立てるパターンです。出張申請から経費精算までBTMで完結させることが可能です。
メリットは、出張における周辺業務の最適化ができる点です。出張に特化した申請・経費精算のため、申請から精算までシームレスな運用が可能です。
デメリットは、パターン3と同様に、利用するシステムが増える点です。申請承認システム、経費精算システムを別個に活用している場合は、合計で3つのシステムを利用する必要が生じます。
上述の通り、出張申請と出張経費精算の組み合わせパターンはそれぞれ一長一短があります。それらの課題を解決する方法として期待されているのが、システム間の連携です。
例えば、BTMと経費精算システムがAPI連携していれば、出張管理システムで予約した内容が自動的に反映されるため、申請者による入力の手間が軽減されます。また、仮にAPI連携していない場合でもデータエクスポート機能があれば、データの移動が用意になります。
BTM(出張管理システム)を選ぶ際は、他システムとの連携を意識すると業務フローの構築の幅が広がります。
なお、出張支援クラウドBORDERは、経費精算システムCONCURとAPI連携しています。また、経費精算データはCSV形式でエクスポートすることが可能です。
Concur Expense Standardと各種外部サービスを連携、 中小企業の出張・経費管理高度化に向けたトータルソリューションの本格提供を開始
出張における申請や経費精算業務は、申請者のみならず、承認者や経理部門にとって負荷のかかる業務といえます。ワークフローの設計次第で業務負荷は大きく変わるので、出張管理システムを導入する場合は、ワークフローを意識することをおススメします。
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