出張は移動費用や宿泊費用など、通常とは異なる費用が発生していることもあり、上司から出張の成果について問われることも多いでしょう。企業によっては出張報告書の作成・提出を求められることもあります。
この記事では、出張報告書の役割と書き方について解説します。
出張の業務フローの全体像や他のプロセスについて知りたい方はこちらをご覧ください。
出張申請テンプレートあり。出張申請書の作成方法について解説します。
出張は様々な経費が発生することから全社員の中から選ばれた社員が業務を遂行することになります。そのため、出張命令を下した上司も自身の判断が適切であったかを確認するために業務内容を把握することが求められます。加えて、海外における展示会の視察などにおいては、出張者が持ち帰った情報を社内で共有することによって新たなビジネスを生み出すきっかけとなることもあります。
出張においては費用対効果が求められます。そのため、出張者が出張前に設定した目標が達成できたかを振り返る必要があり、出張報告書を作成することで目標達成度合いを確認することができます。このとき、出張中に感じた反省点があるのなら、次の出張や業務に活かす改善策を考える機会にもなります。
また、出張先で得た情報を共有する機会を作ることで出張者自身の理解度を高めるきっかけにもなります。
出張旅費の支給は原則、給与にはならず非課税扱いとなります。また、適切な額で定められた出張旅費規程に基づいて支給される交通費や宿泊費、日当は、実費精算でなくてもかまいません。
そのため、出張旅費の名目で経費の水増しや裏金作りに利用する、いわゆる“カラ出張”が行われることも少なくあり、税務調査において、出張旅費は必ずチェックされる項目の一つです。
そうした調査で役立つのが出張報告書です。出張したことを立証するための資料を残すことで無用な疑いへの対応を回避することができます。
参考:【税務調査対策】出張旅費の支給は、細心の証拠残しが必要です
出張報告書の作成に当たっては、下記の項目に分けて記載すると分かりやすいです。
まずは出張概要を記載します。出張概要としては以下が挙げられます。
続いて、時系列で出張における訪問先を記載します。ここでは、打ち合わせ等の詳細は記載せず、出張期間中の全体の日程を記載します。
訪問先スケジュールのサンプル
2022年7月4日(月)14:00~15:00 弊社支店の責任者との打ち合わせ 2022年7月4日(月)16:00~18:00 〇〇株式会社との商談 |
訪問先ごとに打ち合わせ等の概要や成果を記載します。
訪問先ごとの記載内容のサンプル
2022年7月4日(月)16:00~18:00 〇〇株式会社との商談 先方出席者:システム担当者(〇〇様)
・BORDERシステムに関するプレゼンテーションを実施 ・先方からは概ね好評だったが、代理での手配時の対応について相談いただいたため、BORDERシステムでは代理手配も可能であることを説明した。 ・先方からは、競合X社からも話を聞いてから導入の可否について返事するとの報告を受けた。 ・今後は、先方の課題解決に役立つシステム活用事例の提供などを行い、BORDERシステムの導入を目指す。 |
総括では、出張全体を振り返って感じたことや今後の課題などについて記載します。振り返りに関しては、自社の商品に関する所感に加え、自分自身の業務に関する課題等も記載するとよいでしょう。
出張時の日程を後で振り返ると記憶が薄れてしまうため、思い出すのに時間がかかってしまいます。そのため、出張時の商談の時間や相手の名前などは出張の移動時間等に入力しておくとよいでしょう。
出張報告書に記載する項目は毎回変わらないため、フォーマットを作成しておくと作業効率が高まります。ただし、出張の目的(例:商談、視察)によっては記載内容が変わる場合もあるので注意しましょう。
出張報告書を読むのは上司です。読み手の立場に立つと、出張者がどんな行動をとったのか、それぞれの行動でどのような成果が得られたのか、という流れで内容を把握します。そのため、まずは出張の全日程を記載したうえで、それぞれの訪問先での内容・成果を記載すると良いでしょう。
出張報告書は、出張者にとって負荷のかかる作業ではありますが、出張の内容を振り返る絶好の機会です。効率的に作成する方法を身につけ、自身のスキルを磨いていきましょう。
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