現在、個人が航空券やホテルの手配がネットで簡単に行えるようになりました。旅行者にとって選択肢が増えることは非常に良いことですが、一方で、企業側には出張情報の管理に対する課題が新たに生じています。
世界各国でテロが発生している昨今、企業は、出張者がどのフライトに登場し、どの宿泊施設に滞在しているかをリアルタイムで把握しておく必要があります。しかし、従業員が自身で航空券やホテルの手配を行うようになると、それらの情報を正確に吸い上げることが難しくなります。
例えば、弊社が行った企業へのヒアリング結果によると、下記のような回答がありました。
原則として、上司にメール伝える規則になっている。その結果、上司は把握していると思うが、会社として一元的に把握できていない。(某金融機関)
社内システムで上がってきた情報をバックオフィス側で転記していたが、件数が多すぎて、抜け漏れあるのが実態。(某大手IT企業)
また、出張時において困ったこととして、次のような回答がありました。
海外でテロが発生したときに、そのエリアに誰がいるのか探す方法がなく、紙ベースでやり取りした出張申請を一枚ずつ確認した。
企業にとって、海外渡航時の従業員の安全確保は、重要な責務の一つです。外務省の海外邦人援護統計によるとコ2019年の海外における犯罪被害に伴う邦人救援件数は4,500件にも上ります。安全確保の手段としては、海外旅行保険の付保が挙げられますが、不安定な世界情勢下においては、保険の付保だけでは不十分と言えるでしょう。
参考:海外邦人援護統計
こうした課題を解決するソリューションとして期待されているのが出張管理システムです。
出張管理システムとは、企業内の出張をワンストップかつ一元的に管理することを目的としたシステムです。
「ワンストップ」とは、出張の申請から手配、精算までを同システム内で完結させること、「一元的」とは管理者側で出張者の申請情報が確認できることを意味します。出張管理システムを導入するメリットとしては、下記が挙げられます。
出張者の手配内容が登録されるため、管理者は同システム内で出張情報を一元的に把握することができます。その結果、有事の際に、迅速な確認が可能となります。
航空券や宿泊施設に関する予約情報が記録として保管されるため、手配の内容が出張規則に適しているかすぐに確認することができます。
予約情報が蓄積されることによって、出張に要する費用を見積もりことが可能になります。また、傾向がある場合は、出張費用削減に向けた施策が打てる場合もあります。
出張申請から出張精算までの一連のワークフローをシステム内で出張に必要な手続きが完了するため、出張に要する管理側の工数を削減することができます。
前述のとおり、不安定な世界情勢下において出張情報の把握は必須であり、出張管理システムはそれらをサポートする有用なツールと言えます。しかし、出張管理システムにも次のような課題はあります。
一般的に、出張管理システムにおいては、システム内で予約した情報を管理する仕組みとなっています。それため、システム外で予約した航空券やホテルは一元的に管理することができません。しかし、緊急を有する場合などは、システム外で予約することもあるでしょう。
出張者の安全管理という視点からは、全ての出張情報を一元管理する必要がありますが、それを実現できる出張管理システムは非常に少ないようです。
なお、ボーダーが提供するシステムでは、システム外で手配した予約情報もメール転送するだけで簡単に管理できます。ご興味のある方は、下記をごらんください。
出張管理システムによって、出張申請内容のチェックは一元化されましたが、チェックを行うという業務がなくなったわけではありません。つまり、出張に係る管理者側の業務は省力化されましたが、一定の業務は存在します。
ボーダーでは、企業の出張規程を把握したうえで、最適な提案をしています。ご興味のある方は、下記の利用企業様の事例をご覧ください。
多くの企業では、社内で申請を行う場合、既に確立されたシステムが存在します。それゆえ、出張申請だけを出張管理システムで行うと、会社は二つのワークフローを管理する必要があり、管理者側の負担が増します。
ボーダーでは、経費精算システムの最大手であるSAP Concur社とシステム連携しています。ご興味のある方は、下記の記事をご覧ください。
中小企業向けクラウド型経費精算・管理サービス 「Concur Expense Standard」との連携を開始
上記のとおり、出張管理システムは出張者の安全管理という側面から有用であることは間違いありませんが、進化の途中と言えるでしょう。ボーダーは、上記のような課題を解消すべく、企業の管理者にとって便利な機能を次々に追加し、改善しています。
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