近年、航空券や宿泊施設などの手配に加え、出張管理システムを提供する旅行会社が増えています。
企業にとって、出張管理システムを利用するメリットはどこにあるのでしょうか。また、数ある出張管理システムの中から、自社にあったシステムを選ぶためには何を重視したらよいのでしょうか。
本記事では、出張管理システムを利用するメリットや出張管理システムの選び方を解説します。
出張管理システムとは、出張情報の一元管理及び出張業務に関する効率化を目的としたシステムです。出張管理システムはBTM(ビジネストラベルマネジメントシステム)とも呼ばれ、航空券や宿泊施設の手配を一括で行うと同時に、それらのデータを一元的に管理することが可能です。また、出張に関わる申請や承認など、出張業務に関わる機能を兼ね備えています。
出張管理システムについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
2016年に日本CFO協会が実施したアンケートによると、次の調査結果がでています。
出張管理システムを導入すると、企業や出張者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では主なメリットを紹介します。
出張管理システムを利用すると、出張費用が可視化されます。そのため、出張エリアごとのフライト料金や宿泊費用の相場が分かります。
また、出張費用は直前に手配するほど高額になりますが、出張管理システムを利用すると、直前に手配している社員の特定なども可能であり、そういった社員に早期手配を依頼することで出張費用を削減することが可能です。
出張費用を収集し、全体最適と個別最適を実現することで、出張費用の削減が可能になります。
出張においては、出張費用の見積もり、出張申請、航空券や宿泊施設等の予約、出張費用の精算と様々な業務があります。また、これらの業務は出張者のみで完結せず、上長による承認や経理部門による規程遵守の確認など、他部門の従業員のタスクが存在します。
出張プロセスについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
出張管理システムを活用すると、それらの業務をシステムがサポートしてくれます。例えば、システム上で見積書を作成し、それを出張承認にインポートすることで申請に係る入力の手間が軽減します。また、出張規程遵守の確認についてはシステムが自動で行うため、経理部門による目視確認が不要となります。
このように出張管理システムは、出張者だけでなく、出張に関わる全ての部門の従業員の業務負荷軽減に役立ちます。
出張の手配を個々人に任せていると、出張者が選択したフライトやホテルの金額の妥当性が確認できません。各企業は、出張規程によって利用可能なフライトやホテルを制限していると思いますが、フライトやホテルは時期によって値段が大きく変わるため、提出された料金が適切であるかを判断することは非常に難しいです。
また、出張申請にあたっては最終的な金額のみが確認されるため、他に安いフライトがあっても自分が好きな航空会社を選択するなど、経済合理的な選択をしていないケースも存在しています。
出張管理システムを活用すると、出張手配の金額が可視化されます。また、チャットによる出張手配システムであれば、出張者と旅行手配スタッフの手配経緯も事後に確認することが可能になり、出張者に対する抑止力として機能します。
出張管理システムでは、出張費用の他、出張者が利用するフライトやホテルに関する情報も管理されています。そのため、日本国外で自然災害やテロなどが発生した場合に、その国・都市に誰がいて、該当者がどのホテルに宿泊しているかも確認することができます。
他方、出張者の情報を一元的に管理していない場合、海外で大きなニュースがあっても、そのエリアに誰がいるかを確認できず右往左往するケースが見られます。
ジェイアイ傷害火災保険が公表している2018年度の海外旅行保険の事故データによると、海外旅行保険の事故発生率:3.70%(27人に1人)とのことです。
出張者のための安全管理は、今後、ますます重要性を増すため、その為に出張管理システムを導入するという判断も一考に値します。
旅行代理店が提供する出張管理システムには各社特徴があります。ここでは自社にとって最適な出張管理システムを選択するための基準を紹介します。
出張管理システムは、「ご自身で手配するタイプ」と「旅行手配スタッフに手配を依頼するタイプ」があります。前者の場合、海外出張などにおいては出入国に関する要件を満たしているかやトランジットの時間を考慮しているかなどについても出張者自身で確認し、予約する必要があります。また、変更や取消に関しても、ご自身で対応する必要があります。
このようにご自身で手配することは、時間的制約にとらわれないなどのメリットもある反面、注意すべき点もあります。困ったときに旅行手配スタッフに相談することが可能か、旅行手配スタッフのケアは手厚いかを確認するとよいでしょう。
出張管理システムを通じての手配は、航空券や鉄道、宿泊施設の予約が主たる手配物ですが、業務渡航においては、レンタカーや海外旅行保険、WiFiなどの手配物も必要になります。出張管理システムで移動手段と宿泊施設を予約しても、その他の手配物は別途予約しないといけないとなると業務効率は改善されません。
そのため、自社の出張においてよく利用する手配物を確認し、それらの手配物を取り扱っているかを確認しましょう。
出張管理システムは、月額制と従量課金制の2タイプがあります。支店への定期訪問があり出張頻度が一定である会社にとっては月額制が馴染みますが、時期によって出張頻度にばらつきのある会社は、従量課金制が望ましいでしょう。
自社の出張傾向を確認したうえで、月額制と従量課金制のどちらの出張管理システムが望ましいか判断しましょう。
出張管理システムの支払方法は、請求書による支払いとクレジットカードによる支払いの2通りがあります。自社にとって望ましい支払方法を決めたうえで、その支払方法に対応しているか確認しましょう。
多くの企業は、出張管理システムが自社の出張に効果的であるか確認したいでしょう。特に月額制の出張管理システムを利用するのであれば、操作性を試したいところです。出張管理システムの中には本利用の前に試すことが可能なサービスもあるので、利用前にトライアルが可能か確認しましょう。
出張の手配を旅行会社に依頼する場合、旅行会社が備える出張管理システムを併用すると、出張業務の効率は劇的に向上します。旅行会社に依頼している場合は、出張管理システムの依頼を是非ご検討ください。
出張手配に関する旅行会社の役割や活用メリットについて知りたい方はこちらをご覧ください。
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