本コラムは、ビジネストラベルマネジメントシステム(BTM)に関するコラムの第4弾です。前回は、ビジネストラベルマネジメントシステム(BTM)の導入プロセスについて紹介しました。
BTMの導入プロセス
今回は、ビジネストラベルマネジメントシステム(BTM)を導入し、出張費削減や業務コスト削減に成功した事例等について紹介します。国内の事例においてはシステム導入前後による違いを中心に解説し、海外においては出張手配に係る個別具体の解決事例について紹介します。
日本国内においてはビジネストラベルマネジメントシステム(BTM)の導入はそれほど進んでいないため、弊社のお客様の導入事例を紹介します。
出張費用を削減するうえでのポイントは、航空券や宿泊施設の価格情報ロジックを把握し、迅速に手配を確定させることです。ビジネストラベルマネジメントシステム(BTM)の導入により、手配スピードの上昇や価格変動のタイミング把握を実現し、出張費用削減に成功した事例です。
BTM導入前
・総務部門主体で出張手配を行っていたが、海外出張が増えるにつれ、総務で手配することに限界を感じはじめていた。
・旅行代理店への依頼も考えたが、スピード感に課題を感じていた。特に航空券は時間とともに割高になる傾向があり、コスト面の課題もあった。
BTM導入後
・システムの導入により、出張手配までのスピードが圧倒的に早くなった。また、金額の変動時期などもわかるようになったため、意思決定のスピードが迅速になった。
・その結果、出張手配全体で30%程度のコスト削減につながった。
紹介した事例の詳細はこちらでご覧になれます。
https://border.co.jp/casestudy/interview/monstar-lab/
続いては、業務コストの削減です。出張規程や出張業務プロセスを明確にすることによって、出張手配をバックオフィス主体から出張者主体に移行させ、バックオフィスの出張手配における業務コストの大幅な削減を実現した事例です。
ビジネストラベルマネジメントシステム(BTM)導入前
・バックオフィスチームが主体となって旅行代理店に連携し、手配を実行。バックオフィスチームは出張者と旅行代理店の仲介的な役割になり、かなりの業務負担を実感していた。
ビジネストラベルマネジメントシステム(BTM)導入後
・出張における手配ルールを明確にした上で、出張者主体の手配に変更。
・バックオフィスチームは問題がある場合のみ、システムで確認する。その結果、通常の手配フローに係る業務工数が100から0になった。
紹介した事例の詳細はこちらでご覧になれます。
https://border.co.jp/casestudy/interview/mercari/
海外ではビジネストラベルマネジメントシステム(BTM)導入もありますが、その他にも個別具体の課題解決を実行する事例も多いです。ここでは、データを活用した出張コスト削減事例について紹介します。
一般的に航空券は時間が経過するにつれて価格が上昇しますが、時に下がる場合もあります。この例では、航空券のリアルタイム価格をトラッキングし、価格が下がると再予約することによって出張費を削減を図っています。導入の結果、1.1%の航空券費用削減を実現しています。
引用元:https://us.travelctm.com/uncategorized/savings-in-airfare-rate-tracking/
出張データは、自社における出張の現状を把握する上で非常に有用です。出張データを分析することによって、旅費規程の遵守状況がわかります。この例では、規程を満たしていない出張を分析することで、現状の規程の妥当性を把握し、旅費規程等の見直しを行いました。
なお、規程の見直しを行う場合は、コストだけでなく、出張者の満足度も考慮する必要があるとのことです。
引用元:https://us.travelctm.com/uncategorized/leverage-expense-data/
ビジネストラベルマネジメントシステム(BTM)の導入は、出張プロセス全体の最適化やコストカットが期待できると同時に、個別具体の課題についてもアプローチが可能であり、非常に使いやすいシステムと言えます。出張費用は総額が大きいため、1%の減少でも大きなコスト削減効果が期待できます。また、間接コストの削減も考えると費用対効果の高いシステムといえるでしょう。
次回はBTMの最先端について紹介します。
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